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第1章:つい話したくなる睡眠の新常識
睡眠時間と感染予防
- 睡眠時間が「5時間未満」の人と、「7時間以上」の人を比べた時、感染発生率が3倍になる
- 睡眠には細菌やウィルスに対して自然免疫を強くする効果がある
- 予防接種をしても睡眠不足だと抗体反応が弱くなる
睡眠不足で太りやすくなる
- 夜ふかしをすると余計な食べ物を食べてしまうのは、食欲にかかるホルモンが影響をうけているから
- 短時間睡眠だとホルモン量が変化し、食欲が抑えられないくなるので食べすぎてしまう
「90分の倍数」の睡眠はベストではない
- 睡眠周期は80~120分で個人差がある
- 健康状態で睡眠パターンが乱れたりする
- 上記から90分の倍数がいつも1周期にあたるとは限らない
- 睡眠周期に合わせるより睡眠そのものを改善した方が効果的
睡眠不足による経済損失
- 正しい睡眠が管理(睡眠不足)されていないことでおこる経済損失は約15兆円
- 原因①:就業中のパフォーマンスが下がる
- 原因②:ミスやトラブルが増え事故の原因
- 原因③:生活習慣病や精神疾患、がん、認知症の発生リスクが上がってしまう
- 「超一流」の人ほど睡眠を重要と考え管理している
寝すぎても健康リスクが高まる
- 睡眠は「量」だけでなく「質」の方も大事
- 長く寝過ぎると体内時計のリズムが乱れ、疲れやすさと頭痛といった不調を引き起こす
- 一晩に9時間以上寝る人は、活動量の低下を招き、結果として肥満や脳卒中、心臓病のリスクが高まる
睡眠負債
- 平均8.2時間眠ると、睡眠負債はたまらない
- 1日平均40分の睡眠負債があるとすると、解消されるまで3週間かかる
- 睡眠預金はできない
睡眠不足の運転は飲酒運転より危険
- 睡眠不足だとマイクロスリープという本人さえ気づかないほどの瞬間的な睡眠に陥っている可能性がある
- 睡眠負債を抱えた状態での運転は、マイクロスリープが起こりえるので、アルコールや薬物接種時と同じくらいのリスクがある
午後の眠気
- 午後の眠気は食事の影響ではなく体内時計の影響(食事を抜いたとしても眠くなる)
- 眠くならない効果的な方法は毎日の睡眠時間を少しでも増やすこと
- 対処としてはランチをよくかんで食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを取ったりすると良い
寝付きの悪さ
- 年齢が上がるにつれて寝付きが悪くなる
- 入眠までの時間は普通は5分~15分程度
- 「眠れない」と意識しすぎるとストレスになり眠れなくなる
- 眠ろうと意識しないで、リラックスすることを意識する
起きたい時間に起きる
- 翌日の起床時間を意識して眠ると、覚醒に欠かせないコルチゾールの分泌が、起床時間の1時間ほどまえから少しずつ上昇する
- 体内時計は睡眠中も時間の経過を把握している
- 起きたい具体的な時間を強く意識することがカギ
第2章:ここまでわかった!睡眠の科学的メカニズム
睡眠の仕事:睡眠の役割
- 脳を休ませる(深いノンレム睡眠のときのみ休んでいる)
- 自律神経やホルモンバランスを整える
- 記憶を整理して定着させる
- 免疫力を上げて抵抗力を高める
- 脳の老廃物を除去する
睡眠の仕事:成長ホルモンの分泌
- ノンレム睡眠の第1週期に70~80%が分泌
- 分泌量は時間帯ではなく睡眠によって変わる
- 成長ホルモンがでないと
①コレステロールが増える
②骨が弱くなる
③筋肉量が減る
④体力が落ちる
⑤肌が荒れる
睡眠の仕事:記憶を整理して定着させる
深いノンレム睡眠
- 新しい記憶の定着
- 嫌な記憶の消去
レム睡眠
- 記憶した情報のひもづけや整理
- 嫌な記憶の消去
浅いノンレム睡眠
- スポーツ技術の習得
- 手続き記憶の定着
睡眠の仕事:脳の老廃物を除去する
- 脳の重さは体重のたった2%(1200~1400g)だが、体全体の約18%のエネルギーを消費している
- 脳にはリンパ組織がない代わりに、脳の老廃物は脳内を巡る脳脊髄液という液体で洗い流される
- 睡眠不足が続くと老廃物の処理が十分にできなり蓄積される
- 若い頃から溜まった睡眠不足が、認知症に影響すると考えられる
眠りの借金
- 人は一定の睡眠時間を必要なのに、それより短ければ足りない分が蓄積していく→眠りの借金
- 6時間睡眠を続けると、10日で集中力や注意力が1日徹夜したときとほぼ同じになる
- 4時間睡眠の場合は、2週間で3日徹夜したときとほぼ同じレベルまで衰える
- 徹夜後なら疲れや眠気でパフォーマンスの低下を自覚できるが、4時間,6時間の睡眠を続けている人は必ずしもパフォーマンスの低下を自覚できない
- 「眠りの借金」はいつしか大きな負債になっていて、それを気づけないのが恐ろしい
大切な入眠からの「最初の90分」
- 深い眠りのノンレム睡眠は一晩で4,5回繰り返さえる、最初の1回目が一番深い(最初の90分)
- 脳も体もリラックスし、自律神経が整い、ホルモンバランスがよくなる
- 人の成長にかかわる成長ホルモンは最初のノンレム睡眠で70~80%分泌される
- 最初の90分が浅く短いと不十分なノンレム睡眠となり、その後の睡眠に悪影響を与え、どれだけ長く眠っても目覚めが悪くなる
体内時計が睡眠覚醒を支配する
- 地球上の生物は固有の体内時計をもっている
- 地球の自転に合わせて体内の生理現象を変動させる生体リズムが備わっている
- 人体の様々な生理機能と関わりが深いのが1日周期の概日リズム
- 人の概日リズムの1日は24.2時間、放っておくと少しずつ後ろにズレる
- ズレを修正するのが光で、朝の光が有効とされる
- 網膜が朝の光を感知すると体内時計がリセットされて、地球と時間とのズレをなくすことができる
本当に怖い「睡眠時無呼吸症候群」
- 気道や舌回りの筋肉が弛緩し脱力
→落ち込んだ舌が気道を塞ぐ
→無呼吸
→足りない酸素を取り込もうと覚醒を繰り返す
→慢性的な睡眠不足
→日中の眠気が強まる
→判断力や集中力が下がり、生活に影響を及ぼす - 治療しないと8年間で4割の人が死亡するデータがある
- 慢性化すると高血圧や糖尿病の発症リスクが高まる
- 悪化すると脳卒中や心筋梗塞につながる
- 自分では気づきにくいので人に頼んで観察してもらう
- 「太った男性に多い病気」のイメージだが、誰でも起こり得る
なぜお年寄りは朝が早いのか
- 加齢とともに体内時計が変化している
- 体温やホルモン分泌など、睡眠にかかわる生体機能のリズムが前倒しされる
- 睡眠周期をコントロールするメラトニンというホルモンの分泌量が減少し睡眠時間が短くなる
- 夜に長く眠れない場合は昼に短時間睡眠で補うことで認知症の発症リスクが減る調査結果がある
第3章:今夜からぐっすり「黄金の90分」質を高める極意
深部体温をコントロール
- 「深部体温と皮膚温度の温度差」が縮まることが入眠のカギとなっている
- 就寝の90分前に湯船に浸かり深部体温を上げておくと、眠ることには深部体温が下がってスムーズに入眠ができる
- 就寝直後の入浴は、深部体温が下がりきらないので眠りの妨げになる
「眠りモード」に変える「モノトナス」
- 眠る前の脳には極力余計なことを考えさせない
眠りにつくまでの決まりがあると考えることが減るので眠りやすくなる
- 音静かで単調な曲
- 寝具いつものベッド
- 服装いつものパジャマ
- 光いつもの照明
- 温度いつもの照明
- 時間決まった時間に
脳がモノトナス(単調な状況)だと退屈して眠くなる性質を利用する
- 難しい本
- クラシック音楽
- 変わらない風景
- 古典芸能
- 静かな映画
- 炎のゆらめき
より良い睡眠習慣のカギ
- 起きる時間をなるべく一定にする
- 朝起きたら光を浴びる
- 朝食をとる
- 日中はしっかり活動する
- 体温変化を活かす
※休日はたっぷりと寝たいと感じる時は睡眠負債が溜まっているということなので、平日の睡眠時間を増やす
第4章:スタンフォードに学ぶお悩み別睡眠アドバイス
芳香浴で眠りの空間を作る
- アロマの香りを使って副交感神経が優位になるように整えることでリラックスして眠りやすくする
少量のお酒はスムーズな入眠の友
- アルコールは脳を興奮させる神経物質の働きをを抑え、落ち着かせる神経物質の働きを促す作業がある
- 寝酒は「寝る直前」、「アルコール度数が強いもの」を「ほんの少しだけ」がポイント
- 夜中によく目を覚ましたり、朝早くに起きてしまうなら飲み過ぎ
暖色系の明かりは眠りの架け橋
- 暖色系の光は体内時計やメラトニンの分泌に対する影響が小さい
- 夕方以降は赤い光を灯すことで、入眠モードへ切り替えられる
運動習慣は快適的生活への第一歩
- 定期的に運動を続けると寝付きが良くなる
- 最初の深いノンレム睡眠が増えて、夜中に目をさますことが減る
- 睡眠時間が長くなり、質も改善される
- 週2~3回、就寝3時間前までに運動する
- ジョギングやウォーキングなどの負荷の軽い有酸素運動を行う
パワーナップ(仮眠)は眠い午後の救世主
- 昼食をとってもとらなくても、14時ごろは眠くなる
- 生産性を上げることを目的とした短時間の仮眠は「パワーナップ」と呼ばれる
- 1日20分程度の仮眠でも集中力は上がりミスは減る
- 30分以上は集中力が低下し夜に眠れなくなる
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科学的な根拠に基づいて書かれていますので、難しい言葉はでてくるのですが、図と絵が多いのでわかりやすい。
そして読むとすぐに実践したくなる情報が盛りだくさん。
睡眠には力を入れていましたが、「量」は足りていても「質」が伴っていない様なのでこちらを参考に改善していきたいです。
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